Vol.107 2018/6/1更新

3ヵ月毎に年4回発行している車内報「一期一会」は、お客様とフジタクシーグループを結ぶコミュニケーションメディアです。 一生に一度かもしれないお客様との出会いを大切にしたい、という私たちの思いができる限り伝わればと思っています。タクシーをご利用の際は、ぜひお持ち下さいませ。

連載コラム

ハーモニックトライアングル 1

通勤ラッシュも一段落した平日の午前9時。
3車線ある道路の左折車線で、 何気なく信号待ちをしていた時である。
突然、「キッキ~! ガッシャ~ン!」と、私のタクシーのすぐ近くで、ものすごい音がした。
反射的にその方向を見るとおばあさんが倒れている。
“大変だ!助けなきゃ!”と思うが早いか、 体はドアを開けて車の外に飛びだしていた。
良く見ると、 傍らには前輪のひしゃげた自転車が転がり、 その向こうに呆然と立ちすくむ青年がいる。

自転車同士の接触事故である。

私はおばあさんのもとに駆け寄り、「だいじょうぶですか?」と声をかけた。
「イタタタタッ!痛い!」
倒れているおばあさんの背中に手をあてて、とりあえず体を起こそうとした。
「ちょっとこのままにしておいて!」 と、 痛みと怒りが入り混じったような鋭い声が返ってくる。

“ウァー、大変だ!骨でも折れてるんじゃないか?”
「救急車を呼びましょうか?」
「大丈夫、 自分で立てるから」 と、 少し落ち着いたのか、携帯電話でどこかに電話をしている。
ここまで来て、 私も少し落ち着いてきた。

ハッと気づき、自分の車を見た。まだ第一車線の先頭に止まっていた。幸い後続車はいなかった。

このままこの場を離れることはできなかった。
車を路肩に止めて、 傍らにまだ呆然と立っている青年に駆け寄り声をかけた。

「あなたの自転車と当たったの?」
「ソウ、 ゴメンナサイ」 と、 カタコトの日本語が返ってくる。
某大手企業に研修で来ている中国人エンジニアだった。

「とにかく、 警察が来るまでここで待ってて」 と言い置いて、 おせっかいとは思ったが、 自分の携帯電話で警察を呼ぼうとした。
その時、おばあさんが電話で呼んだのだろう、ご主人が息を切らして現れた。
近くのご自宅から駆け付けたのだ。

「だいじょうぶか?」 開口一番、 奥様の体を気遣った。
と同時にその場に立っていた私と青年を交互に凝視する。

奥様からの説明で事態を理解したご主人。
私の前に来て 「家内を助けて頂いてありがとうございました。」 と丁寧に頭を下げた。
「いえ、 当たり前のことをしただけです」と、大いに恐縮する私。
当然、 誰もがこういう場面に遭遇したら同じようにするはずだ。
「大したことないから」と、そのまま仕事に行こうとする奥様を引き止め、ご主人の依頼で近くの病院までお乗せすることになった。(もちろん料金を頂いて。)


数日後、 ご主人から 「お礼」 のお手紙が会社に届いた。

「私が自転車を自宅に持ち帰り、病院に駆け付けた時は運転手さんはもう見えませんでした。
病院の中まで家内を運びこんで頂いたと聞きました。
…お名前はわかりませんが、私達の感謝の気持ちをお伝えください。」
お手紙で、 奥様が肋骨の骨折で絶対安静の大けがだったとわかった。

私にも今年76歳になる母親がいる。
2人で一緒に暮らしている。昔の人なのだ。
今も自転車に乗り元気に仕事にいっている。
もし、 母親が同じ様な事故に遭ったらどうしよう。と、
先のおばあさんと姿が重なる。他人事ではない。


フジタクシーに入社して3年になる。未だ無事故、 無違反を続けている。
これからも 「人を想いながら」安全運転に努めようと思いを新たにする。

INFORMATION

■フジタクシーの車窓から(1)

今回から始まった新コーナー、 「フジタクシーの車窓から」。

毎回、 ご乗車いただいたフジタクシーの車窓から見える名古屋市内外近郊の美しい景色、
名所や旧跡、観光地などをご紹介していきます。

記念すべき第一回は 「松重閘門 (まつしげこうもん)」。

名古屋市中川区、 市道名古屋江南線 (江川線) にかかる 「南北橋」 の両側に位置する
堀川と中川運河が交わる場所に、 昭和5年に完成した建物です。

現在は本来の機能としては使用されていませんが、
もともとは水量の違う2つの河川の水位を調整するために造られた扉式の閘門。

東西長さ約90メートルの水路の両端に2棟ずつある、高さ約20メートルの塔は、
どことなくヨーロッパの古城を思わせるような姿で、 当時は 「水上の貴婦人」 と呼ばれたそうです。

長い年月の経過とともに傷みや汚れが目立っていましたが、
近年の名古屋市の河川整備計画により、 建築当時を彷彿とさせる姿にリペイントを施されたり、
夜間にはライトアップされたりと、 改めて魅力的なスポットとして息を吹き返したような印象です。

東海道新幹線やJR在来線、名鉄線の列車の車窓からもよく見えるため、
これが目に入ると、 「あぁ、 名古屋に帰って来たんだなぁ‥‥」 と
多くの方々が実感するという、まさに時代を超えた「名古屋の歴史的ランドマーク」 です!

■フジタクシードライバーが選ぶ名古屋近郊お花見10選

春です!お花見のシーズンがやって参りました!
今回は、 フジタクシードライバーがお勧めする名古屋近郊お花見
スポットのベスト10をご紹介します。

第一位 昭和区鶴舞公園の桜 (ダントツの1位です。)
第二位 昭和区山崎川四季の道の桜 (皆さんも良くご存じの山崎川の桜。)
第三位 岩倉市五条川の桜 (少し遠出をしてはいかがでしょうか?)
第四位 中区名古屋城、 名城公園北園の桜 (人気のスポットです。)
第五位 港区荒子川公園ガーデンプラザの桜 (大駐車場もあります。)
第六位 千種区平和公園の桜 (意外と穴場のお花見スポット。)
第七位 守山区森孝の桜並木 (第三フジタクシー前の穴場スポット。 夜は桜のトンネルが綺麗。)
第八位 西区庄内緑地公園の桜 (約5ヘクタールの広さを持つ桜の名所。)
第九位 北区黒川・御用水跡街園の桜並木(穴場スポット。 山崎川にひけを取りません。)
第十位 天白区天白川と植田川の桜 (約 7.8キロのお花見ウォーキングコースです。)

あくまでもフジタクシーのドライバーが、 お客様を一番多くご案内したところ、 ドライバーが一番良いと思うところなどを参考に、 独断で選んだお花見スポットです。

フジタクシーに乗ってぜひお花見にお出かけください!