Vol.106 2018/3/1更新

3ヵ月毎に年4回発行している車内報「一期一会」は、お客様とフジタクシーグループを結ぶコミュニケーションメディアです。 一生に一度かもしれないお客様との出会いを大切にしたい、という私たちの思いができる限り伝わればと思っています。タクシーをご利用の際は、ぜひお持ち下さいませ。

連載コラム

ハーモニックトライアングル13

午前5時。静寂の中、突然けたたましい目覚ましベルの音が鳴り響く。

反射的にベルを止め、眠い目をこすりながらベッドから起きてきたのは50代前半の女性である。

顔を洗い身支度をする。家族の食事の準備を終え、階下の営業所に出勤だ。

それから少し時間をおいて、今度は階下の営業所から同い年の男性が帰宅する。

そう、二人はフジタクシーグループに勤務する夫婦ドライバーなのだ。

営業所の上に併設する社宅に住んでいる。

夫がフジタクシーに入社したのは、今から3年前の12月である。

北海道の食品会社で23年間勤めていたが、会社が不況のあおりを受け倒産。

その後、知り合いのつてを頼り一家で岐阜県美濃加茂市に移り住み、

工場勤務やタクシー乗務をするのだが、生活はままならない。

そんな折、名古屋でフジタクシーの評判を聞き、タクシーに乗るなら稼げるところでと、

家族で社宅住まいを決めたのだという。

もともと勤勉で誠実な夫は、仕事に一生懸命に取り組んだ。

その結果、収入もどんどん増えていった。

それ以上にフジタクシーでの仕事が楽しくてしょうがなかった。

何よりもお客様から笑顔で「ありがとう」と言われる瞬間が嬉しく、それが励みになった。

そんな夫の姿に影響を受け、昨年8月からは妻もフジタクシードライバーとして勤務を始めるのである。

勤務の都合で、二人が平日一緒に過ごす時間はあまりない。

その分、週末ともなるとせきを切ったように会話が始まる。勤務中にあった色々なことを話し始めるのだ。

最初は夫が妻に、先輩としての助言をするのだが、しばらくすると形勢は逆転。

気丈な妻からの反撃(?)が始まる。

真面目な夫である。

自分の些細なミスでお客様にご迷惑を掛けた時などはひどく落ち込むのだが、

そんな時は逆に妻に励まされることもしばしば。

切磋琢磨しながらお互いを高め合っている、営業所でも評判の夫婦ドライバーなのだ。

今年1月、同居する息子がフジタクシーグループの整備工場に転職を決めた。

そんな楽しげな両親の姿を見ていて、できるなら自分も一緒の会社で働きたいとの思いからだ。

今二人は、生れたばかりの孫の世話で、大忙しの毎日を過ごしている。

勤務の合間を縫って甲斐甲斐しく世話をするのだ。

いずれはこの子も、おじいさんやおばあさん、お父さんの勤める同じ会社に就職するのだろうか?

期待は膨らむばかりだ。

ご乗車ありがとうございます。